ネット上には無料で利用できるOSやアプリケーションが存在しますが、クラウドFAXに関して言うと完全無料で送信・受信できるサービスというものは存在しません。ただし、初期費用や月額基本料が無料のサービスや、規定の範囲内に限り送信・受信ともに無料で利用できるサービスなら何種類かあります。
また、一口にクラウドFAXと言っても業者の数も多く、無料にするポイントを変えることで他社との差別化を図っているのが現状です。
「無料」というワードがアピールされるのは、だいたい下記の5パターンになります。
無料になることが多い5つのパターン
- パターンA:初期費用が無料
- パターンB:基本料金が無料
- バターンC:送信料が一定の範囲内で無料
- パターンD:受信料が一定の範囲内で無料
- パターンE:受信料が完全無料で基本料金が必要
ただし、サービスを利用する人のコストパフォーマンスの度合いはユーザーの利用の仕方によってかなり異なります。
例えば、クラウドFAXを利用するとして、予想される利用状況は下記の4ケースに分けることができます。
よくある4種類の利用状況
- パターン1:送信頻度が極端に多く、受信頻度が少ない
- パターン2:受信頻度が極端に多く、送信頻度が少ない
- パターン3:送信頻度・受信頻度ともに多い。
- パターン4:受信送信ともに少ないが、最低限クラウドFAXを利用する必要がある
つまり、前述の「無料になることの多いパターン」を「利用状況の違い」に応じて選択することで、その人にとってコスパの良いサービスを選択できるというわけです。
そのため、「クラウドFAXなら○○がコスパNO.1」というような現実は絶対にあり得ません。
しつこいようですが、クラウドFAXは使う人の利用状況によってコスパの良し悪しは全く異なります。
『無料』『0円』をアピールするクラウドFAX7選!
初期費用 | 月額料金 | 送信料 | 受信料 | |
秒速FAX | 0円 | 0円 | ~ 5000枚 10円/1P 5001枚~10000枚 9円/1P 10001枚~50000枚 8円/1P 50,001枚~ 7円/1P |
ー |
秒速FAX plus |
1,650円 | SOHO:550円 ベーシック:880円 ビジネス:1,100円 |
ー | SOHO:8円/1P ベーシック:3円/1P ビジネス:0円/1P |
メッセージプラス | 0円 (年払い) |
871円 | 16円/枚 | 0円 |
MOVFAX | 0円 | 1,078円~ | 8.8円/1回 | 1000枚まで無料 1001枚から8.8円/回 |
jFax | 1,100円 | 1,089円 (月額プラン) |
100枚まで 無料 101枚から 11円/1ページ 60秒ごとに1ページ加算 |
50枚まで 無料 51枚から 11円/1ページ |
eFAX | 1,100円 | 1,980円 | 150ページまで 無料 151ページから 11円/1P |
150ページまで 無料 151ページから 11円/1P |
クラコールFAX | 0円 | 1,080円 | 8円/3分 | 0円 |
上表は初期費用・月額料金・送信料・受信料の4項目のうち、いずれかの項目が無料になっているサービスを7社選んで比較したものです。
各サービスでそれぞれなにかしら無料にするポイントを決めていますが、冒頭でも説明した通り無料にするポイントは5つのうちのどれかに当てはまっています。
以下、上から順番に各サービスの特徴とメリット・デメリットを完結に解説します。
『秒速FAX』の特徴とメリット・デメリット
- 無料パターン:A、B
- 利用パターン:1
『秒速FAX』は送信しかできない送信専用のクラウドFAXで、初期費用・月額料金ともに0円であるのが大きなメリットです。
また、送信頻度が増えれば増えるほど送信単価が下がるという特徴もあり、新頻度の多いユーザーに向いています。一方で受信ができないことや送信頻度が少ない人にはそれほど利用価値はないと言えます。
月間の送信ページが50001枚を超えると単価が7円まで下がるので、これくらいのヘビーユーザーになると『秒速FAX』1択と言っても良いです。
秒速FAXの詳細については筆者の利用体験を紹介した秒速FAXの評判とリアル体験談!他社サービス比較&メリット・デメリット解説!を参考にされると良いでしょう。
『秒速FAXplus』の特徴とメリット・デメリット
- 無料パターン:E
- 利用パターン:2
『秒速FAXplus』は受信しかできない受信専用のクラウドFAXで、初期費用・月額料金ともに必要ですが受信する頻度に応じて月額プランが3段階に分かれていて、ビジネスプランは受信料が完全無料です。
『秒速FAXplus』は受信頻度が少ない人が利用してもメリットはありませんが、受信する頻度が多い人が利用すると大きなメリットがあります。
初期費用はどのプランを選択しても同じですし、各プランの月額料金もSOHOプラン:月額550円、ベーシックプラン:月額880円、ビジネスプラン:月額1,100円でかなり安いので、ビジネスプランを利用すると固定出費を1,100円に抑えることができて安心です。
メッセージプラスの特徴とメリット・デメリット
- 無料パターン:A,E
- 利用パターン:2
メッセージプラスのメリットは初期費用と受信料が完全無料なことです。
月額料金も871円とかなり安いので魅力的ですが、送信料が業界平均の約2倍もするというデメリットがあります。
つまり、メッセージプラスは専ら受信に特化した利用形態の人には超オススメですが、ある程度の頻度で送信・受信ともに必要な人にはあまり向いていません。
メッセージプラスは送信頻度が多くなればなるほど受信料が無料であるメリットが逆転してしまう危険性もあります。
メッセージプラスサービスの詳細については、メッセージプラスの評判!他社と比較したメリット・デメリット解説!で詳しく解説しています。
MOVAXの特徴とメリット・デメリット
- 無料パターン:A,D
- 利用パターン:2
MOVFAXのメリットは初期費用が無料で受信料が月に1000枚まで無料なことです。
また、月額料金1,078円から利用できますし、送信料も1送信8.8円なのでそれほど高くありません。また、1001枚から受信料が従量課金になりますが、8.8円/回なので送信料と変わらず安めに設定されています。
MOVFAXは送信・受信ともに利用頻度がそこそこある人で、受信する頻度が月に1000回以下の人が利用すると月額料金と送信料だけでコストを抑えることができます。
MOVFAXの詳細については筆者の利用経験を紹介したMOVFAXの評判とリアル体験談!申込方法・使い方を分かり易く解説が参考になります。
『jFax』の特徴とメリット・デメリット
- 無料パターン:C、D
- 利用パターン:4
『jFax』のメリットは送信料・受信料ともに月の使用限度を超えない限り完全無料で利用できることです。
実はeFaxの姉妹サービス、jFaxは後で紹介するeFaxと多くの点で非常に似たサービス内容でになっています。
利用できる電話番号の種類に制限があることや、eFaxよりも無料で利用できる上限が少ないデメリットがありますが、月額料金がeFaxの半分に抑えられているのは魅力的です。
jFaxのように無料で利用できるサービスの上限が少ないクラウドFAXは、頻繁にFaxを利用することはないけれど取引先との関係で最低限Faxを利用する必要がある人に向いています。
つまり、いつでもスマホやPCできる状態は確保しておきたいが、それほど頻繁にやり取りすることはないという人にオススメです。
jFaxの詳細については筆者が実際に使用した経験を紹介しているjFaxの評判を実際に利用して検証!使用方法やメリット・デメリット解説を参考にされると良いでしょう。
『eFax』の特徴とメリット・デメリット
- 無料パターン:C、D
- 利用状況:4
『eFax』のメリットは前述のjFax同様、送信料・受信料ともに月の使用限度を超えない限り完全無料で利用できることです。
ただし、eFaxの月額料金はeFaxの2倍で月額1,980円かかります。そのぶん選択できる番号の種類はjFaxよりも圧倒的に多く、機能面でもスマホアプリで送信できるなど優れています。
また、無料で送信・受信できる上限も150ページまで可能なので、jFaxよりもゆとりを持って利用することができます。
eFaxを利用するのに向いている人はJFaxと重なる部分が多いですが、機能面でより充実したサービスを希望する人はeFaxのほうが向いています。
『クラコールFAX』の特徴とメリット・デメリット
- 無料パターン:E
- 利用パターン:2
クラコールFAXは株式会社三通テレコムサービスが提供するクラウドFAXのサービスですが、利用するためにはクラコールPBXをすでに利用しているという前提条件が必要です。
クラコールFAXは初期費用・受信料金が無料で基本料金も安くて魅力的なサービスですが、電話サービスであるクラコールPBXを利用していない人は契約できません。
そのため、電話番号のダブル運用やスマホを使った内線化とともにFAXの利用も検討している人にはお勧めできますが、クラウドFAX単体では利用できないのが残念です。
また、FAXはメールでPDFファイルを送信する他、送信にかかる費用は従量課金ではなく通信時間で計算される点も特徴的です。
\クラコールPBX→クラコールFAXで遷移!/
クラコールPBX 公式サイト
最後に、クラウドFAXで無料をアピールするサービスは、無料になっている項目がある一方で割高になる項目があるのが必然的だと分かって頂けたかと思います。
つまり、無料になる項目を重視することが自分の利用状況を有利にするなら利用する価値があるということです。
クラウドFAXのサービスを選ぶのはある意味スマホのプランを選ぶのとかなり似ていると言えます。
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